野村 一夫『社会学の作法・初級編―社会学的リテラシー構築のためのレッスン』(文化書房博文社)読了。
ソキウス・野村一夫氏による社会学の初歩よりさらに手前の入門書。良書です。Webサイトでも全文読めます。
読書やパソコン利用、文献調査やレポートの書き方の作法については他の本にもありますが、私が感動したのはゼミの作法。他では読んだことがなかったです。
他に印象に残ったのは下記の箇所。
・そもそも「ものを書く」という作業は演技である。自分のなかに生じる多様な意見のなかから特定の意見を選択して書くとき、書き手はあたかもその意見の持ち主として演技することになる。まるでその意見しかもっていないかのようにふるまうのだ。(中略)演技して書くことによって首尾一貫した文章が書けるのである(pp.103-104)
・ありのままをよしとする自然主義ではなく、「かのごとく」ふるまう作為が必要(p.186)
私は、真剣に文章を書く際には、実際に書く作業自体より、自分の中に湧いてくる異論反論を黙らせる方に大部分の時間をかけているのですが、この「演技」の自覚や「数ある意見の中から慎重にたったひとつの意見を選びとったのだ、それで自分はいくのだ」という覚悟が足りないのかもしれない、と思ったりしました。覚悟を決めたくなくて、いつも逃げ道を探したくて、どこか及び腰になっているような気がしています。反省。