One night @ the Call Center

先週読んだ『Five Point Someone: What Not to Do at IIT』がおもしろかったので、Chetan Bhagatの小説をもう1作読んでみました。今度はコールセンターで働く青年たちのお話。

インドはITとBPO(Business Process Outsourcing)で国が成り立っていているといっても過言ではありません。BPOの代表例がコールセンター。英語圏であり、かつ人件費が安いからですね。

この小説では、米国企業の仕事を請け負っているコールセンターのハードクレーム対策チーム(深夜シフト)のある夜の出来事を描いています。

主人公のShyamは上司(常にMBA用語を振り回すが、コピー機のソート機能の使い方もわからないidiot<-Dilbertの上司にちょっと似ています)からチームリーダーへの昇進を餌に理不尽な扱いを受けているのですが、「それもこれもみんな昇進のため」「上司って大なり小なりこんなもの」とこらえ続けています。Shyamの元彼女Priyankaはそういう彼の煮え切らないところや、実の母からの「早く金持ちと結婚しろ」プレッシャーに耐えかね、お見合いで米国在住マイクロソフト勤務のインド人エンジニアと結婚してしまおうとします。主人公の親友のVroomは元新聞記者で、ジャーナリストへの夢を捨てきれないまま、学生時代からの友人の生活レベルに合わせるため(=バーやピザやコークやバイクのため)いやいやコールセンター勤めをしています。Eshaはモデル志望のセクシーな美女で、昼間にモデルのオーディションを受けるためにコールセンターで深夜勤務をしているのですが、身長が足りないという理由でモデルデビューがなかなか果たせません。既婚者のRadhikaは結婚前はTシャツ・ジーンズのアクティブな現代っ子だったのですが、結婚後は頭の古い姑にいびられ、それでも夫のため・愛のためと耐え忍んでいます。その結果、頭痛が絶えず、常に薬を飲んでいる状態です。Military Uncleは退役軍人で一人暮らしの老人ですが、以前、息子家族と同居していたときに、嫁をいびり倒して息子から縁を切られ、孫との接触も一切禁じられています。

つまり、思いのままに行かない現実を変えたいと思いつつもなかなかそれができず、もがいたり、苦しんだりしている人たちというわけです。そういう状態を一変する出来事が一夜のうちにいろいろ起こるのですが(例:リストラ危機。でも上司はクビなどという直接的な物言いは一切せず、MBA用語で「リソースの最適配分」とか言います)、その結果このチームがとった行動とは…というわけで、本当にやりたいことは死ぬまでにやらなければ悔いが残りますぜ、というお話でした。はい。読んでいて自分もやるぜーと思いました。

主人公がうじうじするタイプでありながら、暴走しがちな親友にひっぱられて無謀なことをやってしまう、という構図は『Five Point Someone: What Not to Do at IIT』と同じですね。

ちなみに英語版Microsoft Wordで「=rand(200,99)」と入力したら出てくる文言って、本作中ではバグとありましたが、それってバグじゃなくて仕様なような。

昨年Helloというタイトルでボリウッドで映画化されましたが、評判を聞く限り、映画版はいまひとつだったようです(ファンタジックな部分の匙加減が難しそう)。

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