Branding India-An Incredible Story

今週は小説ではなく、ノンフィクションを読みました。Amitabh Kant "Branding India-An Incredible Story"(Harper Collins Publishers India)。筆者のAmitabh Kantはインド政府観光局の方。インド・ケララ州のブランディングを成功させた腕を見込まれてインド政府観光局に移ったという経歴の持ち主です。

2002年、観光地として他のアジアの国に遅れをとっていたインドが、Increadible Indiaキャンペーンを実施することで、2002年から2008年にかけて観光客数を約2倍、観光収入も2倍以上にまで持っていった方法について紹介しています。

成功要因としては、以下のようなところが挙げられていました。

・ターゲットのセグメント化(富裕層や海外旅行者が多い/伸びる国をメインターゲットにする)
・他アジア諸国との差別化(打ち出す特徴を明確にする。それまでのばらばらなブランドメッセージをやめ、すべての媒体・ターゲット国でIncredible Indiaという統一メッセージを使用)
・ADとPRのバランスを取った
・イギリスのTV番組Big Brotherの出演者がインドに対しネガティブな発言を行ったときにすばやく公開返信を行い、評判となった結果、口コミで観光地としてのインドへの注目度をアップさせた
・広告宣伝だけではなく、高速道路や観光地・空港・ホテル・などの施設の整備・拡充および観光業に携わる人々への意識改革教育を行った
・コンテンツ重視・更新が頻繁なWebサイトを作成した(今もあります。CMSベースですね。http://www.incredibleindia.org/←個人的にはもうちょっと改善できるのではないかとも思いますが…)

もちろん、よかった面ばかりではなく今後の課題面についてもしっかり分析されています(例:メディカルツーリズムを打ち出しているが、マラリアを媒介する蚊が多くいるなど、衛生面で問題も多いこと)。

カラーページが多く、キャンペーンに実際に使われたパンフレットやポスター、Webサイトなどが紹介されており、見ているだけで楽しい本でした。その一部はこちらで見られます。

あと日本人として気になったのは、世界観光機関(UNWTO)の予測データ"World’s top out bound countries:2020"で、2020年には日本の海外旅行者数はドイツに次いで世界第2位、シェア8.8%にまで増加するだろうと予想されているところでした。昨年(2008年)は2年連続前年割れ(ソース)の状況だったのに本当にそうなるんでしょうか。

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