マレーシアにあって日本にはない概念

マレーシアのニュース翻訳をやっていて、日本にはない概念のため手こずった記憶がある言葉を3つ紹介します。番外編もあるよ。

ソフトオープン

ショッピングモールなどが新しくオープンする際、日本では全館一斉に営業開始することが普通だと思いますが、マレーシアでは一部店舗のみ先行で営業開始することが多いです(他のショップはまだ工事中だったり)。そういう一部オープンのことをソフトオープンと言います。最初は「ソフトってなんやねん、ハードもあるんかい」と思いましたが、もう慣れてしまいました。いやららぽーとBBCCは2022年1月にオープンしましたがまだ全店舗オープンしてないんですよ……Zoffのオープンを首長くして待っています。

コンパウンド

compoundを辞書で引くと、名詞としては「化合物」や「複合物」という訳語が出てくると思いますし、DeepLくんもそういう訳し方しかできないようです。でもマレーシアだと意味が違うんです。コンパウンドは罰金・反則金という意味です。罰金通知はcompound notices。罰金措置はcompound action。

RM1.2mil in compound notices issued for smoking offences last month” は、「先月、喫煙違反で120万リンギットの罰金通知を発行」という意味になります。

いやいったんそういう意味だと知ったら特に難しいことはないのですが、意味がわかるまでは「???」でした。

ヌサンタラ

狭義ではインドネシアの新首都名です。2045年にジャカルタから移転完了予定。インドネシアの首都移転、マレーシア企業にとっても商機だったり、新首都を通るボルネオ横断鉄道の計画を立てたりしているので、記事に時々出てきます。でも広義でのヌサンタラがちょっとややこしくて、インドネシアでは「インドネシアの領土・領海」を指し、マレーシアでは「マレー諸島」を指したりします。→参照:Wikipedia

なので個人的にはこの言葉出てきたら要注意です。日本語で言ったら「大和」みたいな感じなのかなあとぼんやり思ったり。

番外編:冷房は洗うもの

仕事には関係ないのですが、マレーシアに来てびっくりした概念は「クーラーは半年に1回など、定期的に内部洗浄するものだ」です。コンドミニアムに入居したときに交わした賃貸契約書に書いてあったので(「入居者負担でクリーニングする義務がある」と書いてありました)、ものすごく「???」となり、仲介業者さんに思わず質問してしまいました……。暑い国でエアコンをずっと稼働させているため、専門業者さんにお願いして定期的に洗浄する必要があるということです(そう聞いても、ちょっと疑ってしまい、別途裏を取ったのですが)。いや日本にいたときからエアコンのフィルタ掃除はやっていましたし、「長年使っていて効きが悪くなったから洗浄する」ということもありましたが、頻繁に丸ごと洗浄することが義務となっているのが驚きでした。